約9億7千万円。
プロ野球選手の年俸額ではありません。
「British Guiana One Cent Black on Magenta」という、英植民地時代のガイアナで、1856 年に発行された切手の値段です。
2014年にアメリカのオークションで、切手として歴代最高額で落札されました。
切手一枚に、国家予算並みの価値があります。
しかし、なぜ切手一枚にこれほどの価値があるのでしょうか。
今回は切手の価値が高い理由と、切手の魅力、価値の高い切手をご紹介します。
切手の価値=希少価値
希少性が、切手の価値を高めています。
ですので、「切手の価値=希少価値」とも言えます。
なぜ切手に希少価値が生まれるのか。
その理由は、もともと市場にあまり出回っていないということと、発行部数が少ないということにあります。
後述しますが、切手の中には、発行後すぐに発行終了になった切手や、政治的な事情で廃棄された切手もあり、そのような手に入りにくい切手の価値は、高いです。
切手の魅力
日本では、切手をコレクションとして収集することが一時期、流行しました。
時代の経過とともに、切手収集ブームは、下火になりましたが、現在も切手収集を楽しんでいる方はいらっしゃいます。
また、日本だけでなく、海外にも切手を収集するコレクターが、たくさんいます。
切手の何に人は魅了されるのでしょうか。
発行当時の時代背景を学べる
切手を通じて、発行当時の時代背景を学べます。
たとえば、革命下に発行された切手、オリンピック開催を記念して発行された切手など。
このような時代の背景、出来事を知ることができます。
2021年に開催された「東京オリンピック」でも、記念切手が発行されました。
ときが経てば、この切手を見て、当時の出来事を懐かしむ、なんてこともあるかもしれません。
切手は時代を映す鏡とも言えるでしょう。
種類の多さと収集意欲の刺激
切手は世界中で発行、使用されています。
日本だけでなく、海外にも多くの種類の切手があり、その時代、その国でしか手に入らない切手には、何か特別さを感じさせられます。
だからこそ、一枚手に入ると、「他の切手も手に入れたい」という収集意欲が湧いてくるのでしょう。
そういった収集意欲を刺激する力が、切手には込められています。
価値ある切手 – 切手の種類について
価値の高い切手の種類は、どの切手になるのでしょうか。
下記に、価値の高い切手の種類を3点挙げます。
桜切手
桜切手は、1872年に発行された切手で、桜がデザインされています。
桜切手は「半銭」「1銭」「2銭」「4銭」「6銭」「10銭」「20銭」「30銭」と、多くの種類が発行されました。
桜切手の現像数は少なく、希少価値が高いです。
「20銭」「30銭」は状態によって、数千万円の価値があると言われています。
「開運!なんでも鑑定団」という番組では、明治時代の桜切手が鑑定され、鑑定額はなんと4000万円。
値段的にも価値が高いと言えます。
竜文切手
1871年に発行された竜文切手は、日本で初めて発行された切手です。
竜文切手は「銭四十八文」「銭百文」「銭二百文」「銭五百文」の4種類があり、500文切手(銭五百文)が最も高く、買い取られている傾向があります。
中国切手
中国切手は、1949年に中国の中国郵電部郵政総局から発行された切手。
なぜ中国切手の価値が高いのでしょうか。
それには中国で起こった「文化大革命」が関係しています。
文化大革命では、切手収集は中国の文化ではなく、欧米の文化として捉えられました。
そのため、切手は兵隊から取り上げられ、ほとんど廃棄されました。
そういった理由で、当時の切手は、ほとんど残っていません。
それゆえ、中国切手は希少価値の高い切手になっています。
一部の使用済み切手
使用済みの切手。
それは消印が押されている切手です。
そういった切手も、価値のある場合があります。
「初日カバー」という、発行された当日に押された日付の消印は、発行数が少なく、希少価値が高いです。
また、国規模の記念行事などの際や、地域限定の消印も、価値が高いです。
使用済みの切手でも、このように価値が高い切手もあります。
まとめ
今回は、切手の価値が高い理由と、切手の魅力、価値の高い切手をご紹介しました。
最後にここまでの内容を振り返ります。
- 切手の価値=希少価値
市場にあまり出回っていないということと、発行部数が少ないことが、切手の価 値を高めています。 - 切手の魅力
発行当時の時代背景を学べる
種類の多さと収集意欲が刺激される - 価値のある切手
桜切手
竜切手
中国切手
一部の使用済み切手
この記事を読んで、切手に興味を持たれましたら、ご自宅に届いた郵便物を確認してみてください。
もしかしすると、とても価値のある切手が、貼られているかもしれません。
ぜひ一度ご確認ください。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。