福岡のおすすめ伝統工芸品

福岡伝統工芸品の特徴

九州の最北部に位置する福岡県は、九州地方の玄関口として昔から多くの町が繁栄していました。

江戸時代にこの地域を支配していたのは福岡藩で、福岡藩の歴代の藩主は黒田氏でした。その他に現在の福岡県内には、小倉藩や柳川藩、久留米藩といった藩がありました。
これらの各藩においてさまざまな種類の伝統工芸品が生産され、地元の伝統工芸品という形で現代まで受け継がれています。

福岡県で生産されている伝統工芸品の特徴にあげられるのは、日常用に利用できるものが多いことです。
県内の福岡市博多で主に生産されている博多織という伝統工芸品の中にも、日常用に利用できるものが多くあります。昔から多く生産されている和服などの博多織だけでなく、博多織の生地を使用したバッグや財布なども作られるようになっています。こうした新しい種類の製品が開発されたことにより、若い世代の人にも注目されるようになりました。

久留米絣も昔から日常用の衣服に広く利用されてきた織物で、昭和時代の有名な小説家も普段着として愛用していました。現在では久留米絣の生地を使用したバッグやスニーカーなどの製品も販売されています。

博多人形も住宅を飾るための日用品として利用されることが多く、さまざまなジャンルの商品が販売されています。博多人形の中でも特に多いのが能を題材に使い製造されたものです。歌舞伎を題材にしたものもあり、縁起をかつぐために七福神などをモデルにして作られたものもあります。ひな祭りの人形に使われることもあり、日常生活のさまざまな場面で使用されています。

福岡県を代表する陶器である小石原焼も、日常用の生活雑器に利用されることが多い伝統工芸品です。小石原焼が全国的に広く知られるようになったのは、有名な民芸運動家に紹介されたことが理由になっていて、小石原を訪れた民芸運動家は、用の美の極致という言葉を使用して小石原焼を高く評価しました。

八女市で作られている八女提灯も、昔から日常用の提灯として広く利用されてきた歴史があります。この提灯の製造が開始された当初は、お墓の中に設置して使用するタイプのものが多く生産されていました。この提灯は好評であったため、八女地方だけでなく福岡県のより広い地域で販売されるようになりました。

福岡おすすめ伝統工芸品トップ5

福岡でおすすめの伝統工芸品を5つ、ここで紹介します。
その5つとは、「博多織」「久留米絣」「博多人形」「小石原焼」そして「八女提灯」です。

博多織

この中でも特に、福岡県を代表する伝統工芸品ということで全国的にもよく知られているのが博多織です。博多織は博多地区で生産されている絹織物で、日本三大織物の一つに数えられています。
江戸時代に福岡を統治していた黒田氏は、地元で生産された博多織を将軍家に献上していました。こうした歴史から、現在でも博多織の最上級に品物のことを献上博多と呼ぶことがあります。

久留米絣

その一方で、博多織と同じように福岡を代表する織物ということで全国的に知られているのが久留米絣です。
久留米絣は福岡県の南部の久留米市を中心とした地域で作られている綿織物です。2色の糸を使用して生地を織るのが久留米絣の特徴になっていて、白い色の糸と一緒に藍色に染めた糸が使われています。これらの2色の糸を効果的に使い分けることにより、生地にさまざまな種類の文様を作り出すことが可能になります。
久留米絣は日本を代表する絣の一つで、日本三大絣の一つにも選ばれています。

博多人形

福岡には織物以外にも多くの伝統工芸品があり、その中でも全国的によく知られているのは博多人形です。福岡市の博多地区で主に生産されていて、地元では非常に古い時代から作られていました。博多人形は土を使用した素焼きの人形で、伝統的な製造方法と現代の製造方法はいくつかの点で違いがあります。現在製作されている博多人形は、石膏を使用して人形の型をとり製作する方法が一般的です。

小石原焼

小石原焼も福岡県を代表する伝統工芸品ということで知られていて、県内の中部にある朝倉郡東峰村という地域で生産されている工芸品です。この地域で小石原焼が作られるようになったのは、福岡藩の3代目藩主が肥前の伊万里から職人を招いてかま場を作ったのがきっかけです。

八女提灯

福岡県を代表する5つ目の伝統工芸品として紹介できるのが八女提灯で、八女提灯は福岡県の南西部にある八女市で生産されています。もともとは福島提灯という名前で呼ばれていました。盆提灯が特に多く作られています。八女提灯は、現在生産されている提灯の大部分に使用されている、1本の骨をらせん状に加工して提灯を作る生産方法を始めておこなった地域としても知られています。

まとめ

福岡県は九州地方の中で最も本州と近い地域であることから、昔から各地で経済や産業が発展していました。江戸時代から作られている伝統な工芸品もこの地では多く生産されていて、日常用として使用できるものが多いのが、福岡県で生産されている伝統工芸品の特徴です。

昔から日常用として使用されてきたものだけでなく、伝統の技術を使用して新しいタイプの製品が開発されることもあります。伝統工芸品は人々の生活とは切り離せないものであることが、こうした事実からもわかります。

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