広島伝統工芸品の特徴
広島伝統工芸品は県内の広範囲において、それぞれ発展してきた歴史があるのが特徴です。
また経済産業大臣指定の伝統工芸品、広島県指定の伝統工芸品と、広く認められているものがいくつもあります。
その数は合計10種類以上で、職人の手により作られてきたり、日常生活に用いられているものも多いです。
いずれも100年以上の歴史があるのが普通で、何代にも渡り技術が受け継がれ、磨かれ保たれてきたといえるでしょう。
加えて、原材料も伝統的に用いられてきた歴史がありますから、加工や仕上げといった技術だけでなく、材料からして伝統的だと分かります。
100年以上続く伝統工芸品は当たり前に存在しますが、中には200年以上に及ぶものもあります。
広島伝統工芸品に見られる特徴としては、種類が豊富な上にどれも魅力的で、飾って楽しめたり手に取って愛用できるものまであることが挙げられます。
昔に作られた歴史的な価値がある工芸品も魅力的ですが、承継されてきた技術に基づく、現代の工芸品もまた魅力があります。
100年200年前の技術が現代にも生きている、今も伝統的な工芸品が生まれている、そう考えると感慨深くて魅力や感動を覚えられるのも頷けます。
質感や色使い、仕上げの質といったどの点を取っても、広島伝統工芸品は総じてレベルが高いです。
職人のプライドとも言うべき仕事に対する姿勢が工芸品にあらわれていますから、手に取らずとも実際に見るだけで、大量生産の工業製品とは異なることに気がつけるはずです。
オーラがある、重厚感や高級感を感じさせるという表現は平凡ですが、広島伝統工芸品には味わい深さがあります。
それは高品質ながらも手作りだと分かる工芸品らしい仕上がりだったり、職人の手から生み出された手仕事ならではの良さです。
広島は宮島とそれ以外でも異なる技術の発展が行われ、宮島だけでも独自に発展した工芸品が複数存在します。
例えば厳島神社の砂を入れて作られたのがルーツとされる宮島焼、200年以上の歴史と全国一の生産量を誇る宮島杓子などが有名です。
島外から伝わってきた技術を発展させた宮島彫りも、伝統的な技法が分かる工芸品の1つです。
地元ではお土産用にも作られていますから、手の届きにくい高級な作品というより、身近に感じられる民芸品の傾向が強いです。
広島おすすめ伝統工芸品トップ5
宮島焼
広島のおすすめ伝統工芸品といえば、宮島を代表する宮島焼です。
宮島焼は別名お砂焼きともいい、嚴島神社の砂で作られた祭器をルーツとしています。
現在は宮島参拝のお土産で手に入る、茶器や花器などが愛されます。
伝統的な技術は宮島口の3つの窯元でそれぞれ、承継が続けられています。
ぬくもりを感じさせる質感、手触りの良い光沢感が魅力的で、置いて飾るだけでも楽しめます。
熊野筆
熊野筆は経済産業大臣の指定伝統工芸品の1つで、江戸時代末期頃から始まり、現代まで製造が続けられている職人手作りの筆です。
その国内シェアは8割ともいわれ、毛筆や絵筆を始めとして、化粧筆も世界的な人気を誇ります。
海外でも世界的なメイクアップアーティストが使っているほどですから、国内外で注目を集めています。
広島に出向くと、熊野筆の専門店がいくつもありますから、実際に手に取り肌に触れて選ぶことができます。
宮島杓子
宮島杓子は東北以北でもみやじまさんの名で親しまれている、全国的に知られる杓子です。
杓子は本来実用品ですが、宮島杓子は幸せを召し捕る縁起物として、お土産に選ばれています。
宮島で200年以上の歴史がある広島の伝統工芸品ですから、県の顔と言っても過言ではないでしょう。
生産量はトップクラスですが、長寿や家内安全に夫婦円満など縁起の良い内容が書かれているので、お土産に人気なのも納得です。
宮島彫り
宮島彫りは江戸時代頃に伝わってきた技法が、島内で独自に発展した伝統工芸品です。
伝統的技法が余すことなく使われているので、歴史的にもとても価値のある工芸品だといえるでしょう。
宮島彫りには風景が彫り込まれるのが定番で、四季を交えた島の様々な表情が楽しめるようになっています。
技法が見られる彫りは繊細さよりもダイナミックで力強く、迫力や説得力があるのが特徴です。
備後絣
備後絣は久留米絣や伊予絣と共に三大絣と呼ばれる伝統工芸品で、江戸時代末期から約170年の歴史を誇ります。
戦後は年間300万反生産されたほどの人気で、現代でも素朴さや和洋服にも合うデザインが評価されています。
全国的に知られるようになったのは明治時代に入ってからで、品質の改良とデザインの追求によって、美しさから注目を集めるようになりました。
和服は勿論洋服にも合いますが、小物にも使いやすいことから、小物用の生地としても活用されています。
まとめ
広島の伝統工芸品は宮島の内と外で、それぞれ異なる形で技法が生まれたり、技術が承継されてきた歴史があります。
宮島は独自に発展した技法が多く、今ではお土産用を中心に工芸品が作り続けられています。
熊野筆や備後絣のように、実用的なものも伝統工芸品として職人技が受け継がれていますし、熊野筆に至っては世界的に認められているほどです。
他にもまだまだ経済産業大臣指定、広島県指定の伝統工芸品がありますから、奥深くて興味が尽きることはなさそうです。