兵庫伝統工芸品の特徴
兵庫県は、昔から物流や文化の交流が盛んな地域として発展してきたのでそこでしか生産されていないものも多くあります。伝統工芸にもそれが活かされている傾向がありますので、現在でもそれがより良く出ています。特に、人々の生活の支えになってきたものが現在で伝統工芸品と扱われているものも多く、そろばんや蹴鞠はその典型です。刃物に関しても代表的な工芸品として存在しますが、これも兵庫に各地から大工や鍛冶職人が集まって発展した古い歴史が存在するためです。
兵庫県の伝統工芸品でよくその特徴が現れているのが、唐木と呼ばれるものです。これは、奈良時代に遣唐使を通して日本に伝えられたものであると考えられているもので、文字通り唐の木を使ったものだとされています。古い時代に海外から入ってきた唐木は、江戸時代にさらに発展していき、これが現在になるとその生活様式に合致するために唐木指物として改良されていきました。文字通り、兵庫県を代表する伝統工芸品になっているわけですが、これも人々の生活を支えるために発展した特徴的なものであるということがわかります。
兵庫県に多くの職人が集まって工芸品が生み出されていったのは、この地域が古くから城下町で発展したこととも関係しています。例えば、歴史的な価値のあるものでは世界文化遺産として登録されている姫路城があります。この地域を土台に、各産業が盛んになって地域独特の文化が生まれていきました。
このように兵庫の伝統工芸品は、日常生活を支えるために生み出されたここにしかない特徴が存在するのが魅力です。日本的なものはもちろんですが、外国的な要素を含んだものもありそれらを求めて多くの人が県外からやってきたという歴史もあります。これは、朝廷がすぐ近くの京都にあったことと、古くから鎖国をしていた日本が兵庫県州域を通して外国と交流を持っていたという2つの要素があったからです。ですから、唐木のようにそういった交流を積極的に活かして日本的な陶磁器や木工品といった工芸品が好まれました。現在でも伝統工芸品が残っているのも、こういった歴史のある地域の文化を残すために地域が努力をしているからに他なりません。
兵庫おすすめ伝統工芸品トップ5
兵庫でおすすめな伝統工芸品には、以下の5つがあります。
播州そろばん
まず、播州そろばんと呼ばれるものです。実は、兵庫県はそろばんの生産で日本で有数の実績を誇る地域です。1976年に伝統工芸品として指定されてから既に40年以上の歴史が存在し、品質や生産量に関しても類をみないほどの高さになっています。播州そろばんの歴史は古く、戦国時代に豊臣秀吉の襲撃から逃れた住民たちが、大津そろばんの製造法を学んで活かしたことが播州そろばんに繋がったと考えられています。国内の市場占有率は既に70パーセントを誇っていて、海外においてもその知名度が高いくらいです。
出石焼
出石焼も、兵庫の伝統工芸品で非常に有名なものです。これは、国内でも非常に珍しく白磁と呼ばれるものを中心とした焼き物のことを指しています。通常、焼き物をするときには様々な色や模様を付けて独自色を出して行くことになりますが、出石焼の場合は白い土台に模様を付け加えていくという特徴が存在します。現在の出石焼も、見た目通り白色を基調に非常に美しい仕上がりになっていますので、他にはない焼き物ということで人気を集めています。
丹波立杭焼
同じように、丹波立杭焼も有名です。こちらは、出石焼とは異なって赤っぽい色をした焼き物で提供されているものです。平安時代からその歴史があると考えられており、六古窯の一つに数えられるくらいに有名なので兵庫県の代表的な伝統工芸の1つにされています。
播州三木打刃物
兵庫県の歴史を語る上で忘れてはならないのが、播州三木打刃物です。これは、豊臣秀吉が三木城を攻めてきたときに、その復興を行うために各地から集められた大工への道具として利用されたものです。当時の兵庫を復興するために各職人が力を合わせて、江戸時代に入ると金物の町として認識されるほどに発展の大きな力となって伝統工芸品です。
豊岡杞柳細工
現在の地域ブランドを支える要には、豊岡杞柳細工があります。コリヤナギや籐で編み込んだ伝統的なものです。文字通り、木工品として現在のインテリアなどの役割を果たすほどに人気が高いものです。伝統工芸品に指定されていますが、現実的に特許庁の地域ブランドにも指定されているくらいなのでその重要さがわかります。
まとめ
島根県の伝統工芸品の特徴やおすすめの商品をご紹介しましたが、島根県の伝統工芸品は国指定が3品目になりますが、県知事指定の工芸品は65品目にも及びます。一見、伝統工芸品と聞くと美術品などの印象を持つ人も多いかと思われますが、工芸品は生活の中で使う便利な道具類の総称でもあり普段の生活の中で使うことができる商品ばかりです。現物は、島根県などに行かないとみることができないものもあるようですが、県の公式サイトなどにアクセスすればその全貌を知ることができますし、製造を行っている会社などの紹介もあるので必見です。