和紙には無限の可能性があります。
そう聞くと疑問に思われるかもしれません。
確かに和紙というと、習字に使われるイメージをお持ちの方が多いはず。
しかし、和紙には様々な使われ方があります。
中でも鳥取の名産品である因州和紙という和紙は、多くの物に使用されています。
今回はそんな因州和紙について、歴史、特徴、実際の使われ方をご紹介します。
この記事を読むことで、因州和紙について理解を深められますので、ぜひご一読ください。
鳥取の名産品・因州和紙の歴史
それでは早速、因州和紙の歴史を確認していきます。
因州和紙の歴史の始まり、つまり起源は定かではありません。
確認されている記録は、奈良時代の正倉院文書の中に、因幡の国(現在の鳥取県東部)で抄紙(しょうし)されたと、予想される紙があることです。
つまり、明確な起源は明らかにはなっていません。
そういった意味で、とてもミステリアスな名産品となっています。
鳥取の名産品・因州和紙の特徴
鳥取の名産品である因州和紙。
因州和紙が鳥取の名産品である所以は、どこにあるのでしょうか。
因州和紙の特徴を押さえ、その理由を明らかにしていきます。
因州筆きれず
因州和紙の品質は、他の和紙の品質と比べて高品質です。
因州和紙の中でも、主原料が「三椏(みつまた)」の因州画仙紙(画仙紙は書画用の白い紙のことです)は、「因州筆きれず」と言われています。
(三椏とは、ジンチョウゲ科の落葉する低木植物。三椏は、繊維が柔軟で細くて光沢があります。三椏でできた紙は、表面が滑らかになります)
この言葉の意味するところは、筆が傷みにくいことや、墨がかすれることなく長く書けるというところにあります。
天然繊維の強みを存分に活かした和紙、因州和紙。
その品質の高さは、他の和紙にはない強み、特徴と言えるでしょう。
音風景100選に選出
因州和紙を語るうえで、押さえておきたいポイントの一つに「音」があります。
因州和紙の工程の中で鳴る作業音に、「ちゃっぽん」という音がします。
この音が環境庁の「日本の音風景100選」に選ばれました。
(日本の音風景100選とは、音環境を守るうえで、意義深いと認められた音風景のことです)
「ちゃっぽん」という音は、水に溶かした繊維を漉き(すき)あげるときに発生します。
実物の因州和紙だけでなく、作業工程の音も、とても味わい深いものがあります。
鳥取の名産品・因州和紙の使われ方
因州和紙は紙という役割を超え、様々な物に使われています。
どのような物に因州和紙は、使われているのでしょうか。
【BYAKU Series】叶い星
因州和紙を用いて作られたイヤリング【BYAKU Series】の「叶い星」は、星がモチーフ。
なぜ星がモチーフになっているのかというと、鳥取県が「星取県」と呼ばれていることに関係しています。
鳥取県では、どの市町村からも天の川が見え、流れ星も見えやすいです。
そのことから鳥取県は星取県と呼ばれています。
鳥取の工芸品である因州和紙によって表現された叶い星。
鳥取の美しい星々を、身に着けてみてはいかがでしょうか。
ikei-畏敬
因州和紙を使用したヘアゴム「ikei-畏敬」。
和紙ということで、水に弱いと思われますが、耐水のコーティングがされています。
コーティングには樹脂が使用されており、完全に防水はできませんが、髪が濡れている場合でも、束ねる程度なら、使用に問題はありません。
カラーバリエーションも豊富で、赤色や黒色など、様々な色が販売されています。
プレゼントやちょっとしたオシャレにもおすすめです。
あぶらとり紙
因州和紙のあぶらとり紙は、薬品添加・化学処理を一切使用していません。
そのため、高い吸脂・吸水性を誇ります。
また、独自の製法で肌に優しい構造になっています。
まとめ
今回は因州和紙について、歴史、特徴、実際の使われ方をご紹介しました。
最後にここまでの内容を振り返ります。
- 因州和紙の歴史
因州和紙の起源は定かではありません。
そういった意味で、とてもミステリアスな名産品です。 - 因州和紙の特徴
因州筆きれず
筆が傷みにくいことや、墨がかすれることなく長く書けます。
音風景100選に選出
因州和紙の工程の中で鳴る作業音に、「ちゃっぽん」という音が「日本の音風景100選」に選ばれました。 - 因州和紙の使われ方
【BYAKU Series】叶い星
星取県と呼ばれる鳥取の夜空をモチーフに製作されたイヤリングです。
ikei-畏敬
因州和紙を使用したヘアゴムです。
あぶらとり紙
薬品添加・化学処理を一切使用していないあぶらとり紙です。
この記事が因州和紙への理解を深めるきっかけになれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
鳥取県のその他伝統工芸品についてのご紹介
鳥取伝統工芸品の特徴鳥取伝統工芸品は県内で西部と中部、そして東部地域に分けられ、それぞれ異なる発展を遂げてきた工芸品が存在しています。西部地域では米子市、中部地域は倉吉市、東部地域は鳥取市のように、1つの市内で1つ以上の伝統工芸品を[…]