長崎伝統工芸品の特徴
長崎の伝統工芸といえば、国指定と県指定をあわせて10を超える伝統的な工芸品が認められていることです。
また全国的に知られていたり、海外からも注目を集めていますから、長崎伝統工芸品はまさに誰にとっても目が離せないといえるでしょう。
長崎県は伝統工芸品に理解がある県ですし、支援にも力を入れているので、県をあげて保護しつつ発展させようとしています。
長崎伝統工芸品が魅力的なのは、日常的に使うことができたり、手作業で作られている温かみのある工芸品が多いことです。
つまり使えば使うほど愛着が湧きますし、代えが利かない愛用品として楽しめるわけです。
工芸品に伝統的な技術や技法が詰まっていますから、手で触れたり見れば見るほど、新たな発見があって奥深さに気がつけるでしょう。
それと、長崎伝統工芸品は原材料にもこだわっているので、現代の作品も実に伝統的ですし、生産者も一部の地域に集まって製作しているのが特徴です。
歴史があるのは勿論のこと、作品からは長崎が紡いできた文化まで見えてきますし、使ってみたいと思わせる魅力があります。
今も伝統を守りながら時代に合わせて進化を続けていますし、今後もどのような作品作りが行われるのか要注目です。
中には朝廷や将軍家に献上された作品や、庶民の暮らしと密接に関係する工芸品もあるので、本当に幅が広くて知れば知るほど驚かされます。
海外から伝わってきた技術、技法が長崎で独自に発展した工芸品も存在しますから、そういう歴史を辿って楽しめるのも長崎伝統工芸品の良いところです。
器もそうですが、アクセサリー類も工芸品の1つなので、身の回りにある多くのものが伝統的に作られてきたといえます。
刃物や硯、釣針なども伝統工芸品になっているほどですから、種類が豊富で豊かさを思わせることもまた特徴の1つだと思われます。
いずれにしても、簡単に説明できるほど単純ではありませんし、地域によってそれぞれ発展してきた技術が異なるので、地域性にも特徴があらわれます。
長崎には、伝統的工芸品が県民の財産という意識があるので、県民1人1人が受け継ぎ守り続けていると言っても過言ではないでしょう。
それくらいに人々の生活に根づいていたり、浸透しているのが長崎伝統工芸品というわけです。
長崎おすすめ伝統工芸品トップ5
三川内焼
三川内焼は繊細優美でも知られる、長崎屈指の伝統工芸品で、朝廷にも将軍家にも献上されてきた歴史があります。
日用品も室内の装飾品にも技術が生かされている三川内焼は、やきものにこだわり続けられてきた長崎を代表する伝統工芸品です。
その特徴は何といっても上質な高級感で、透彫りを始めとした技法、唐子絵などの図柄に見て取れます。
割烹食器類が最も多く作られていますが、花瓶や香炉などもあるので、実用的に楽しむことができます。
長崎べっ甲
長崎べっ甲は、17世紀に中国から伝わってきた技術がルーツとされ、南洋産の海亀の甲羅を使ってかんざしなどに加工されてきました。
ネクタイピンやネックレス、ペンダントなども製作され、当時の船やヨットの置物も数多く残っています。
美しい琥珀色で見るからに高級感がありますから、1つ持っているだけで満足感が得られるでしょう。
平成29年に国の伝統工芸品の指定を受け、長崎を代表する伝統工芸品に名実ともに仲間入りを果たしました。
波佐見焼
波佐見焼は透明感のある白磁に特徴があって、藍色の文様の染付が基本的なデザインとなっています。
波佐見焼の歴史は約400年ほどありますが、時代によって変化や調和が見られるのが魅力です。
庶民に近い実用的な焼き物としての歴史を持ち、安くて良いものをという職人の思いや気持ちが伝わる工芸品です。
和食器や食卓用の容器に置物など、様々な製品を幅広く生産してきたことが認められ、昭和53年に国の伝統工芸品に指定されています。
五島さんご
五島さんごはヨーロッパでも魔除けのお守りとして、愛用されてきた歴史がある伝統工芸品です。
血赤と呼ばれる濃紅色、乳白色を感じさせるピンク色は特に高級品といわれ、さんごを使った贅沢なアクセサリーが作られてきました。
五島さんごの本格的な加工は明治初期以降のことで、ネックレスにネクタイピンや指輪など、アクセサリーを中心に発展しました。
置物や帯留めなどもありますから、男女を問わず愛されてきた歴史があるといえます。
若田石硯
若田石硯は対馬市厳原町若田地区の素材に拘り続け、その歴史は平安時代にまで遡ります。
温潤で硯と墨の相性の良さから、この地区の原石が選ばれ使われてきたと考えられています。
若田石硯を使用すると、墨色が綺麗にあらわれますから、古くから多くの人達に愛用されてきたのも頷けます。
水成岩の模様があらわれる自然硯が魅力で、装飾品としても活用されています。
まとめ
長崎の伝統工芸品はとても種類が豊富で幅が広く、発展してきた歴史もそれぞれ異なりますが、1つ1つに物語があります。
朝廷や将軍家の献上品がある伝統工芸品も凄いですが、庶民の生活に根づいている工芸品も少なくないのが特徴です。
また1つや2つではなく10以上が国、あるいは県の指定を受けて支援の対象となっています。
つまりそれだけ守るべき文化であって、受け継がれてきた技術や技法に価値があることが分かりますし、何より現代でも作り続けられているのが魅力です。