新潟県のおすすめ伝統工芸品

新潟県といえば、お米や日本酒のイメージが強いかと思います。もちろんこれらも有名ですが、唯一無二の伝統工芸品も多いのです。
織物や箪笥など、様々な種類のものがあります。

この記事では、新潟県のおすすめ伝統工芸品についてご紹介いたします。

塩沢紬

まずご紹介するのは、「塩沢紬(しおざわつむぎ)」です。
新潟県南魚沼市周辺で織られている絹織物で、光沢の少ない玉糸と真綿手紡糸を使用した落ち着きのある色合いが特徴的です。

「塩沢紬」は人気が高く、「結城紬」や「大島紬」とともに日本三大紬と称されています。
紬(つむぎ)とは、紬糸で織られた絹織物のことです。
塩沢紬には生地の表面に細かなシボがあり、そのシボが独特な風合いを生み出します。シボは、織り上げ後の湯もみで捻りが戻る力によって生じる立体的な凸凹模様のことで、他の絹織物ではあまり見受けられません。
塩沢紬のたて糸には、「生糸」と「玉糸」が使われており、よこ糸には「真綿糸」が使われています。これらの絶妙なバランスによって、他にはない独特な色合いと柔らかな着心地が実現されているのです。

塩沢紬は職人によって全て手作業で作られています
絣糸を1本1本丁寧に織り上げており、機械では作れない極細の絣模様が魅力的です。
なお、1975年に国の伝統工芸品に指定され、2009年にはユネスコ世界文化遺産に登録されています

新潟漆器

次にご紹介するのは、「新潟漆器(にいがたしっき)」です。
新潟県新潟市周辺で作られている漆器で、多彩な塗りの技法が特徴的です。

シンプルな美しさと光沢が魅力の「花塗」、塗膜が硬く表面に傷がつきにくい「石目塗」、不規則なまだら文様の「錦塗」など、様々な塗りが施されています。
特に「竹塗り」は、下地の際に錆で竹の節等を作って、その上に色漆で竹の肌や模様をつけるという独特な技法であり、他の漆器では見受けられません。

多彩な塗りの技法が用いられている背景には、江戸時代から続く漆器作りの歴史があります。
秋田の春慶塗(しゅんけいぬり)や蒔絵(まきえ)の技法が融合し、磯草塗(いそくさぬり)や金磨塗(きんまぬり)などといった新潟独自の塗りの技法が誕生しました。
新潟は北前船の寄港地であったため、江戸や大阪などの大都市に販路が広がり、瞬く間に日本有数の漆器の生産地として知られるようになりました。
新潟の漆器が有名になった頃「竹塗」の技法も加わり、現在のような技法に落ち着いたようです。
様々な地方の技術を融合し、独自の塗りに仕上げたのが「新潟漆器」なのです。

加茂桐箪笥

次にご紹介するのは、「加茂桐箪笥(かもきりたんす)」です。
新潟県加茂市周辺でつくられている桐の箪笥で、湿気や害虫、水害や火災に強いというのが特徴的です。

材料である桐の板は軽くて柔らかく、気密性が高いため隙間のない箪笥を作るためには最適なのです。
熱伝導率が低いため、表面が焦げて炭化しても燃え広がりにくく、火災を防止します。
タンニン、パウロニン、セサミンなどの成分が害虫を寄せ付けない役割を果たしており、湿気に強い理由でもあります。

熟練の職人にしか作れないこの箪笥は、現代でも重宝されています。
江戸時代に作られるようになり、当時はて新潟や東北方面に出荷されていたようです。
明治時代に入ると北海道でも販売され、次第に全国で知られるようになりました。

十日町絣

次にご紹介するのは、「十日町絣(とおかまちがすり)」です。
新潟県十日町市や中魚沼郡津南町周辺で作られている織物で、独特な光沢と風合いが特徴的です。

美しい絣模様は伝統的でありながら現代のセンスにも合っており、お洒落な織物として知られています。
糸の撚りをかけ、ねじり合わせる撚糸(ねんし)の方法が他の織物とは異なり、それが風合いや丈夫さに影響を与えています。
現在もファッションアイテムの一つとして愛用されている十日町絣は、明治時代に市民の間で浸透しました。それ以降、長年にわたって多くの人々に愛されています。

伝統的かつ現代的という、他にはない唯一無二な織物と言えます。

越後与板打刃物

最後にご紹介するのは、「越後与板打刃物(えちごよいたうちはもの)」です。
新潟県長岡市与板地域で作られている刃物で、洗練された鋭い切れ味と使いやすさが特徴的です。

江戸時代から本格的に使われ始め、明治時代には全国で有名になり、現在でも多くの大工職人たちに愛用されています。
元々は職人用の仕事道具でしたが、最近は日用品としても用いられるようになりました。
1986年には国の伝統工芸品に指定され、他の刃物では切れないものも切れる鋭さは唯一無二と言われています。

「新潟県のおすすめ伝統工芸品」まとめ

新潟県のおすすめ伝統工芸品についてご紹介いたしました。
織物、漆器、箪笥など、新潟には様々な伝統工芸品が存在します。歴史が長く古くから使われているものの、現代でも色あせることなく使えるものばかりです。
異国の文化が取り入れられるようになった今だからこそ、日本ならではの逸品を入手してみるのはいかがでしょうか。

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