島根伝統工芸品の特徴
島根県は神々の故郷であり、長い歴史および風土の中で育まれ現代に受け継がれている伝統工芸品が多数存在します。これらの伝統工芸品は島根県の土地の資源を上手に活用してその時代ごとの要請の中で多くの職人さんの手により作り出されたもの、そして生活に密着した実用品もしくは調度品などで発展しているといった特徴があります。
長い歳月を経て磨き上げられた伝統工芸品は、それぞれが暮らしの中に生き続けている芸術品でもあり丁寧なつくりで洗練された美しさなどは日本人だからこそできる最高の技術といえましょう。さらに、未来の人々に受け継がれて行くものと考えることができますし、日本の伝統文化と深いかかわりを持ちつつ人々の生活に対して潤いや安らぎを与えてくれるなどの魅力を持つ商品です。
島根県の伝統工芸品には、出雲や石見、隠岐などの風土および資源、歴史や文化に培われた伝統工芸品などがあり、その内訳には焼物をはじめ、和紙・漆器・そろばん・木工品・石灯ろう・めのう・染織物・刃物・神楽面・人形玩具などがあります。これらはいずれも継承されている伝統的な技術と技法によるもので、熟練した技能を持っている職人さんにより作り出されているものばかりです。
なお、島根県では歴史ある伝統産業の育成および伝統工芸品を多くの人々に知って貰う目的で、昭和56年から島根県ふるさと伝統工芸品の指定を行っており工芸品の振興を図っているといいます。この指定要件の中には、島根県の中で作り出されたものであり日常的に利用されるもの、製造過程の主要部分は手作業で造られていて伝統的な技術および技法で製造されたなどが挙げられます。さらに、伝統的に使用され続けている原材料を使っているなど様々な要件を満たしたものだけが選択されているのも特徴的です。平成23年3月時点で島根県知事が指定を行う島根県ふるさと工芸品の品目数は66点で、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づいて経済産業大臣が指定した伝統工芸品は4品目です。この4品目の工芸品は、出雲石灯ろう・雲州そろばん・石州和紙・石見焼です。それぞれに特徴などがあるので、興味がある人は島根県の公式サイトにアクセスすることでその全貌を見ることができます。
島根おすすめ伝統工芸品トップ5
島根県には、国指定の伝統工芸品が4品目、県知事指定の工芸品が66品目あります。ただ、県知事指定の工芸品は令和元年12月末時点で65品目でその業者の数は87に変化しているようです。こちらでは、県指定や国指定などを含めおすすめの伝統工芸品トップ5選をご紹介することにしましょう。
雲州そろばん
雲州そろばんは、天保元年(1830年)頃に亀嵩の大工さんでもある村上吉五郎氏を祖としてコクタンやツゲなどを主材料にした珠および枠を製作し竹を使った軸作りなど、一つの製品になるまでには数多くの工程を経て作られたそろばんです。雲州そろばんは堅牢で使い易いなどからも、全国各地に広まっていて昭和60年に国の伝統法迎賓に指定が行われたものです。この雲州そろばんを製造している業者は1社のみ、希少価値が高い商品といえるのではないでしょうか。
石州和紙
石州和紙は、万葉歌人柿本人麻呂が奈良時代から始まったとされる和紙の一つで平成元年に国の伝統工芸品に指定されました。石見は、地元に良質なコウゾと良質な水があり、このような環境の中では雅味に富む独特の和紙が作り続けられてきたといいます。石州和紙には、柔らかな肌触りに弾力を持つ強靭性などの特徴的な特性があって長期的な保存に耐えることからも、美術工芸や書籍などに使用されている商品です。製造業者は5社あるようですが、いずれも浜田市にある会社などが製造を行っています。
石見焼
石見焼は、江津市を中心にした石見地方で焼かれている陶器の総称、中でも大型の水がめは独特で18世紀の中頃から製造されているといいます。石見地方は陶土が良質などからも、高温度での焼成ができるため堅牢であると同時に耐酸性や耐アルカリ性が高く漬物がめとして全国各地にこの中が広まっています。石見焼は、平成6年に国の伝統的工芸品に指定されていて8つの業者で製造が行われています。
奥出雲玉鋼工芸品
奥出雲玉鋼工芸品は、島根県知事指定の伝統工芸品の一つです。奥出雲地方は古事記に伝わる八岐大蛇伝説の地、古くから製鉄の技術が発達していたことや優れた鋼の産地などからこの地で採取した砂鉄をたたらと呼ぶ製鉄法で玉鋼を作り、鍛練して日本刀などを作っていました。
石見岡光刃物
石見岡光刃物は、昭和20年代から県内外の鍛冶職人に師事して技を磨いてきた製造業者が作る包丁や鎌、鉈などの商品で島根県の鋼を材料にしているなど優れた切れ味を持つ刃物が鍛造されています。
まとめ
島根県の伝統工芸品の特徴やおすすめの商品をご紹介しましたが、島根県の伝統工芸品は国指定が3品目になりますが、県知事指定の工芸品は65品目にも及びます。一見、伝統工芸品と聞くと美術品などの印象を持つ人も多いかと思われますが、工芸品は生活の中で使う便利な道具類の総称でもあり普段の生活の中で使うことができる商品ばかりです。現物は、島根県などに行かないとみることができないものもあるようですが、県の公式サイトなどにアクセスすればその全貌を知ることができますし、製造を行っている会社などの紹介もあるので必見です。