鳥取のおすすめ伝統工芸品

鳥取伝統工芸品の特徴

鳥取伝統工芸品は県内で西部と中部、そして東部地域に分けられ、それぞれ異なる発展を遂げてきた工芸品が存在しています。
西部地域では米子市、中部地域は倉吉市、東部地域は鳥取市のように、1つの市内で1つ以上の伝統工芸品を有するところも珍しくないです。
県指定の郷土工芸品も複数存在しますが、因州和紙や弓浜絣、出雲石灯籠といった国指定の伝統的工芸品が3つもあります。

鳥取の伝統工芸品自体は、陶磁器や織物に染物、郷土玩具や竹製品に木製品と多岐にわたります。
素材ものものが魅力的な伝統工芸品や、素材を活かした伝統工芸品も魅力あふれるので、鳥取は改めて歴史があって伝統技術を守り続けてきた土地だと分かります。
国の伝統的工芸品に指定されているものは全国に約200ありますが、その内の3つが鳥取県で指定されているものです。
そう考えると凄いことだといえますし、俄然興味が湧くものと思われます。

ちなみに、伝統的工芸品とは日常生活に使われるもので、製造過程が手作りだったり、伝統的な技術や技法で作られるものと定義されています。
原材料も伝統的に使用されてきたものでないといけませんし、一定地域で産地を形成していることも条件となります。

鳥取県は独自の取り組みで、一定の条件を満たした民芸品の郷土工芸品を指定しています。
日常生活で使われるもの、製造過程の主要な部分が手作り、伝統的技術や技法で製造されるなどは国の伝統的工芸品と共通です。
原材料に関する条件も同じですが、異なるのは一定期間の間県内で製造されてきた実績があることです。
この期間というのは概ね5年以上ですから、伝統的工芸品と比べれば指定のハードルは低いといえるでしょう。
しかし、実際に認められているのは江戸時代や明治時代にまで遡ることができる、歴史ある伝統工芸品が殆どです。
比較的歴史が浅い伝統工芸品でも、昭和時代から歴史がありますし、戦後に生まれたものも少なくないです。
鳥取の伝統工芸品に広く目を向けてみると、やはり伝統的に焼き物が多い印象を受けます。
ただ織物や染物も、郷土玩具1つ取っても歴史的なものばかりですから、いずれも技術が守られ続けてきた、立派な伝統工芸品です。

鳥取おすすめ伝統工芸品トップ5

因州和紙

鳥取でおすすめの伝統工芸品といえば、国の伝統的工芸品に指定されている因州和紙です。
因州和紙は起源が定まらないほど歴史が古く、記録として残っているのは奈良時代に書かれた文書です。
平安時代には因幡の国から朝廷に献上されたという記録があるほど、歴史があって高品質な、日本を代表する和紙だといえます。
庶民の間でも使われてきましたから、特別ではあるものの親しまれてきた和紙だと分かります。

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国造焼

国造焼は明治23年に創業した窯元が作る食器が有名で、シンプルながらも素材の良さが魅力的です。
お土産物に食器を販売していますが、壺を始めとした美術工芸にも挑戦している、意欲的な工芸品の1つです。
ちなみに国造焼の名前は不入岡の近くにある、伯耆国のみやつこを祀った大将塚にあやかり名づけられたものです。
後発の山根窯、民芸品の黒見焼とも違った、先発ならではの落ち着きや完成度の高さといった魅力があります。

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弓浜絣

弓浜絣は江戸時代の末期から大正時代に掛けて、化学繊維が誕生するまでの間を支えてきた伝統的な絣織り技術の工芸品です。
元々は江戸時代の前期頃に、農家の主婦が木綿織りの傍らで、仕事着や晴れ着などに用いてきた技術といわれます。
布団の生地にも使われてきた技術で、化学繊維が主流になると共に衰退してしまいましたが、現在は地方色があらわれる絵柄が注目を集めたり再評価されています。

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きりん獅子

きりん獅子は鳥取市を中心に、神社の祭礼で執り行われる獅子舞の頭を張り子面にした、郷土玩具の伝統工芸品です。
色鮮やかな赤色が特徴で、伝説に登場する麟麟に似た形状をしています。
工芸品作りや伝統文化は鳥取ならではのもので、江戸時代から続いているものです。
かつて木彫りだったきりん獅子ですが、昭和時代に張り子のきりん獅子が制作されてからは、こちらが主流になりました。

出雲石灯籠

出雲石灯籠の起源は奈良、あるいは平安時代頃に遡りますが、工芸品が盛んになったのは江戸時代以降です。
粒子の細かな軟質の砂岩を使っているのが特徴で、耐熱性や耐寒性に優れ、長期的に風化しにくい耐久性を併せ持っています。
加工性が優れるメリットもありますから、長きにわたって技術が守られ受け継がれてきたのも頷けます。
お土産として気軽に買えるものではないですが、しかし足を運んで見る一見の価値があります。

まとめ

鳥取の伝統工芸品はとにかく種類が多く、全てを把握するのは難しいですが、国指定の伝統的工芸品だけでも知って損をしないのは確かです。
和紙や絣に石灯籠と、鳥取を代表する伝統工芸品は3つもありますし、県指定のものを含めればもっと数が増えます。
陶磁器は国造焼、織物や染物では弓浜絣、郷土玩具にきりん獅子と、それぞれに代表的な伝統工芸品があります。
竹細工や木製品も鳥取では盛んですから、興味を持って目を向ければ他にもまだまだ魅力的な伝統工芸品に出合えるでしょう。

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